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スピーチ原稿

6日に開かれた精神障害者の親の会「なぎさ会」さんとの交流会で、スペース杉田のメンバー4名がスピーチをしました。そのお一人R子さんは、お母様とスピーチ原稿を作って当日に臨みました。ご本人の承諾を得て、そのスピーチ原稿を掲載します。

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※※※※(ご本人のお名前)の、生涯のステップ

平成21年11月6日 現在

 今日発表することになり、とても不安でいましたが、がんばりたいと思います。今日のこの文は、病気をともに戦ってくれた母と二人で考えたものです。なぜなら、私の頭は、まだまとまった文をつづれるほどには、回復していないからです。あの頃のことを思い出すのも辛く、病気の世界にまた行くのではないかと恐い思いもありますが、少しだけあの頃に帰ってつづってみたいと思います。 

 中学2年の頃より、塾にて当てられ恐怖から不眠になり、あろう事に、大学のときにスペイン語でまた同じトラウマになりました。優秀で明るい友人たちを呪う言葉が、私の頭の中をぐるぐると回り始めたのでした。

そして、手を洗い。・・・・また、洗い。・・・・また、洗う。”

 地獄の病気の始まりです。「おかーさん、私の体の中に、誰かが入ってきたよー・・・・・!」”忘れもしない大晦日の日、わらをもすがる思いでおはらいをしてもらったのでした。その後は、病気の世界にまっしぐらという日々・・・・・。4年もの長い入院生活・・・・。

 病気は、私の夢や人生や全てのものを奪って、今も私の中に”チョコン”と、居座っているような気がします。でも今、私はその病気と初めて向き合ってます。私と母は、”共依存”といわれ、 ”主治医の先生からも、「共倒れになります。」と、ご指導があり、辛いけれど、母に会うと甘えてしまうからです。”母が行っている家族会の依存症専門の先生が、いつも母が迷った時、ご指導して下さったのでした。”「布団が、汚染されたー・・・・・!別のを買って!」と、暴れている私に 先生は、「布団を何百枚買うんだっ!、行くなっ!、会うなっ!、見るなっ!、聞くなっ!」まるで、日光のおサルのようです、「家族の中に、二人病人はいらないっ!」「娘さんは、おかーさんの手には負えませんよ、国に頼みなさいっ!」”一貫してその言葉を言われ続け、そしてそのとおり私は生活保護になり、厳しい訓練の中におかれたのでした。

 思えば去年の秋、歯医者の帰り、薬が強すぎてパーキンソンのような症状が出て、食事中に食器の中に顔がうずまってしまうほどでした。私よりも、母が狂ったようになり、なぜ、薬にばかり頼るのよっ!と、ふらついている私を突き飛ばし、大暴れ・・・・!”その時、ポツンと・・・・・、”「お母さん、・・・・ごめんね・・・・、私、出したくとも、もぅ・・、何の力も出ないの・・・・・、」といって、二人で抱き合って陸橋の上で号泣した悲しい思い出です。”でも今の私は、もう病院に帰りたくないのです、意味もなく街をさ迷いたくないのです・・・、

”お母さんの後姿が見えるあのテーブルで、「また、焼肉かぁー!」と、文句を言ってみたいのです。”だから、病気をやっつけているのです。自分の心しか戦えないのだから・・・。どんなに眠くても、疲れていても、朝当番・夕当番・通所、今の私は、命がけといっても過言ではありません。”母はいつも、「いつか私は、いなくなるのよっ!、どんなにおかーさーんといっても、もう現れない日がくるのよっ!、でもおかーさんは、あなたの胸にしっかりと住んでいつも見守っているからね・・・・。」”だから、私は頑張っているんです。今は、ヨチヨチ歩きでも、一人で歩きたいからです・・・

 グループ・ホームの、職員の方の、厳しさの中に愛のあるお言葉、スペースの皆様の笑顔に、いつも救われています。そして、”私の救世主”主治医の先生、病院のスタッフの方々、皆様のお力”があったからこそ、頑張る私があると思います。”「本当に、ありがとうございます。」”そんな私を命がけで守り、一歩一歩立て直して行った、「お母さん、・・・本当にありがとう・・・。」”

 これからの”夢”として、考えている事があります。こんな不況の時代、皆様の一生懸命働いた大切なお金・・・という思いは、いつも離れないのですが、いつもそこに捕らわれて行ってしまいます。”生活保護なのに、こんな服着ていいのかしら?””こんな美味しい物食べて良いのかしら?”などなどです。いつも+(プラス)思考の母は、「じゃあ、そういう運動すればいいのじゃない?」などと、言っています。”保護でも、貧しくても美しく・カッコ良く、部屋には花でも飾って、死ぬ時に病気になったけど、良い人生だったねって、思えるように・・・・・。””歯が抜けて・髪は、ボサボサ・着る物は、ダラリー・・・・・、病気になって、そんな風に生きていたら悲し過ぎます。””「皆で元気出そうよ・・・・・。小さくなるのは、やめようよ。」って、言って歩きたいような気がするのです。”

 それから最後に、これは私から国への”お願い”でございます。生活保護者に、入る大学は閉ざされています。病気などで、途中で学問を断念した人は、大勢いるはずです。病気だけでなく、人生につまずいてなった人もいるはずです。そして、学問の大切さに目覚めた人は、すごいパワー(力)が出ると思います。そして私たち病人も、希望が持てます。またこういう所まで来てしまったから、人生の悲しみ・辛さを知っているからこそ、いい政治を行う事ができる人も、育つのではないでしょうか。どうか、通信教育の中の一つでいいのです。生活保護者の中にも、学問の道を開いてください。お願いいたします。いつもは、過食になって食べていたり、”恋人の犬”に会いに行って、突き飛ばされている私ですが、-今日は真面目に頑張って自分の気持ちを書きました。

ありがとうございました。「楽しい”スペース杉田”の職員や、メンバーの皆様、ありがとうございます。・・・」 (下線やフォントは原文のママです)

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